修理事例 お母さんの嫁入り道具だった三面鏡
2023.07.15
修理・リフォーム
三面鏡の修理依頼が来ました。
ご依頼者N様の、亡くなられたお母さまが50年以上前に嫁入り道具として持ってきた三面鏡です。しかも、それを作ったのが家具職人だったというご依頼者のおじいさまとの事でした。
状況としては鏡の部分がぐらついてそのままの使用は危険な事と、裏板が割れて剝がれたりしていて、引出しの取手も取れていて紐で代用していた部分がありました。
品物は嫁入り家具の鏡台や和茶箪笥に昔よく使われていた桑材。三面鏡の中央の鏡は角度が調整できる高級仕様でした。
作業は、裏板を張替えて鏡の部分の枠組みをしっかりと接着しなおし、全体を再塗装します。すべて無垢材であれば塗装前に削りを行いキズなどもすっかりなくなりますが、突板(無垢材を薄くスライスして張り付けたもの)の部分は少ししか削れないため従来の塗装が多少残った上への再塗装になりました(そのため元の色合いより少し濃い色になりました)。取手は磨き直して再利用。取れていた取手も保存がしてあったためそれを利用。
昭和の香りを残すデザインの三面鏡が復活しました。